執筆雑記・6

出版企画書のあれこれ。

⒈ タイトル周り

⒉ 著者プロフィール

⒊ 著者名をネット検索 「自分が商品」のお方は「実名フルネーム+肩書」って基本。

※今回の企画書のあれこれを書いてみた。フォーマットは自由に。何かの参考になればよいが。
どれだけ、著者が書籍のだいたいを押えているか?ここが割と大事。
わたしは、版型とか枚数、ページ数などまで仮想で書き込んでみた。
気後れせずに企画を立ててみるといい。

1 タイトル (仮題でOK)

2 サブタイトル (キャッチーなフレーズで・笑)

3 キャッチコピー(わたしの場合はスル―)

4 著者プロフィール(具体的に箇条書きがいいかな)

5 企画概要 (★最も重要。わたしは切り札を使いました)

6 対象読者 (ターゲットはより明確に!)

7 類書とその差別化(ここもスル―。実際に企画が通ったらでよいと考えた)

8 出版に有利な条件(自分発信のブログやメルマガの案内はより効果的。やみくもにメルアド添付はNG/実は私はブログの開示もスル―した)

9 目次案 (ここはその後)

10 見本原稿(ここもその後)

※1〜8はA4一枚に収まる程度の簡潔さでまとめるのがGood。

ブックリンケージ【公式】@Booklinkage1 · 2019年11月出版企画書の必要10項目。(引用先)

執筆雑記・5

本気で焦ってる。

新聞も雑誌もすべて不況構造の一部となった昨今。

 書籍をまったく読まない人の割合がここ数年で急増している。特に若者の比率上昇が顕著であることから、若者が本を読まなくなったことが市場縮小の原因と考える人も多い。だが、本当にそうだろうか。日本の経済状況を考えると、若者は本を読まなくなったのではなく、読みたくても読めない状況と考えた方が自然だ。(加谷 珪一:経済評論家)

電子書籍が拡大するも紙の衰退に追いつかない

 国立青少年教育振興機構が、全国の20~60代の男女5000人を対象に行った調査によると、1カ月の間にまったく紙の本を読まなかった人は全年代合計で49.8%にのぼった。2013年に行われた同様の調査では28.1%だったので、紙の本を読まない人が大幅に増えたことが分かる。まったく本を読まない人の増加率は20代がもっとも大きかったので、一部のメディアでは「若者の本離れ」などと報じている。

 一方で、タブレットやスマホを使って本を読む人は年々増えている。1カ月の間に1冊以上の電子書籍を読む人の割合は2013年には8.5%だったが、2018年には19.7%とほぼ倍増となった。ただ電子書籍の市場全体に占める割合はまだ2割程度なので、電子書籍が伸びても市場全体が拡大するわけではない。

 出版科学研究所の調査によると、国内の出版市場は21年連続で前年割れとなっており、2019年もごくわずかプラスになった程度に過ぎない。紙の書籍や雑誌の市場縮小ペースに電子書籍の増加が追いついていないことがよく分かる。

 出版業界では、若者の読書率が著しく低下していることから、若者の本離れが市場縮小の原因と考える人が多い。だが、若者に本を読ませるよう啓蒙すれば、問題が解決するのかというとそうはいかないだろう。本を読まない人の比率はすべての世代で上昇しており、若者だけの現象とはいえないからだ。

 全体として見た場合、紙の本を読む人が激減し、一方で電子書籍を読む人がそれほど増えていないので、市場縮小が進んでいる。そうなると、市場縮小の理由は、電子書籍に問題があるのか、そもそも本を読まなくなっているのかのどちらかということになる。

         ・・・・・

年末年始に3軒の客先が潰れた。もう、こういった辛い現象にも嫌なことだが、慣れっこになってしまった。どんどん減ってゆく街の本屋さん。有数の大型書店は未だ、お客様が多く、本当に出版不況なの?と、一瞬考えるが、冒頭の記事のように、この不況は正真正銘なのだ。

じゃあ、出版営業を生業とするわたしは、この先どうなっちゃうわけ?!と、見えないじりじりとした不況を相手に日々、精いっぱいの仕事をしている。

書き手はどんどん増えている。我も、我もと。メールやブログ、LINEなどで、簡単な文章が無数に飛び交っている現代。これじゃあ、ちょっと書ければ誰でも書けると思っちゃう。でも今までのような紙媒体には目もくれない人達。

だから、わたしはこの状態に抗って、本を出したい。少しでも貢献の道を目指してね。この不況の流れはきっと留まることなく流出し続ける。でも、嘆いて何もしないより、必死に書いて書いて抗いたいよ。

ある本に、電子書籍を筆頭にWEBの文章を読むのは「浅瀬で貝を拾うようなもの」本をしっかりと読むことは「海底の深い所で貝を見つけるようなこと」だと。

わたしはWEB記事や電子書籍でもそんなに浅瀬にいるとは思ってはいない。それなりに良い深い文章も多く存在するし。紙でなくてもね・・・。でも紙の「本」は読みやすい。特に小説などは。趣が全く違う。この上質な質感は残念ながらWEBにはないもの。

だから、大いに焦ってる。早くしなければ、衰退する前にやりきらなければ!と、こんな風に感じながら始まった2020年。

執筆雑記・4

原稿の見直しはプリントアウトが必須。

勤務先14階の窓からの眺め。

今日で長かった一月が終わる。さっき仕事帰りにスーパーで、「明日からレジ袋有料になります!」とアナウンスされて、そうだった、仕事バッグにも小さく折り畳んだエコバッグを帰ってすぐに投入した。

また、コロナウイルス感染を避けるマスクも、今朝100均で開店時に30枚セットの箱を「2つ」買って、とりあえず2月対策はできた。もちろん営業も完了して。

さて、今年年頭から爆走を続けてきた執筆の云々だが、構想から始めて、まずざっと全部書いちゃうのが私のやり方。途中で少しおかしくても「どうせ、推敲の鬼となるんだから」ね(笑)

全部書いて、2回ほど、手直しせずに読了をしたところで、今回、絶対にやろうと決めていた、全文プリントアウトをやった。見事に見たこともないような原稿の「束」に軽い驚きが湧いたもんね。

で、ここからが一番楽しみにしていた赤ペンを入れる作業。まるでひとり編集のよう。でも、赤を入れるたびに文章が磨かれて行くのをつぶさに体験できたことはちっちゃな財産となった。

なぜプリントアウトして推敲するのか?PCの画面とは、それは、圧倒的に見え方が違うから。

 紙に打ち出して「あれ、こんなこと書いてたっけ?」『てにをは』が抜けてるじゃん!など、一目で気がつくことだらけ(笑)

 ワードやエディター画面での文面は「見慣れた光景」になりがちでしょ。推敲しているつもりでも、小さなことを見落としてしまう。だから、紙に落とし込んでよ~く深読するのが大事なんだよね。

まあ、紙の原稿とWEBの原稿どちらでも、丁寧な推敲が行われている文章にはいい空気が自然と流れるものだしね。また、しばらくしたら、「紙原稿 vs WEB原稿」のあれこれを比較してみようかな。

こうして出稿までに実に8回の全文読了と赤ペン入れ&書き直しをした一週間。目が充血して、数日眼精疲労が続いた。

大変だったけど、死ぬほど楽しかったといえるエキサイティングな1月だった。

2月も執筆雑記は続くと思います。

どうぞ、よろしく(^^♪

執筆雑記・3

たった今、出稿した。

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これで、わたしの可愛い子どもは手元を離れたことになる。

あとは、編集者の手にかかって、どうするものかと、思案を頂きながら今後が決まっていくのかな。

今回は、2回の推敲をしつつ、プリントアウトをして、自分で赤ペン先生をやり、3回目の推敲を終えた。しかし、何度見直しても書き直したい場所が現われるので、1日中、推敲を8回ほどやって、やっと「これでいい!」と、目がしょぼしょぼの全力投球をした案件だった。

 推敲は、ある程度で止めてしまうのも大事な観点かもしれない。言い回しや文法の云々は、編集者が直して下さるだろうし、まあ、その先はわたしの範疇をずいぶんと越えるものだから。

久しぶりに編集者を携えた執筆。とても清々しい。文章のあれこれを見て頂くのは、初めの頃は自分の裸体を見せるみたいで恥ずかしい気分だったけど、今ではしっかり見てもらって、最良な文章に近づく唯一のチャンスなので有難いとしか言えない。

さて、すべての資料もすっきりとかたずけて、何にもないデスクに、ずっと溜め込んでいた本を出す。読むのは「下衆の極み」林真理子・著だ(笑)

やっと、心おきなく読書三昧なのだ。しかも今週は怒涛の営業と執筆も佳境に。仕事一色だったから、少し睡眠や栄養も増やしておこう。そうそう、ぼ~っとする時間もね。

わたしは、いわゆる私小説作家さんが書かれている、日常的な自我の葛藤やドロドロの体験を読むのがあんまり好きじゃない。だって自分自身のことだって、それほど深くは考えてないもの。

しかし、真理子女史の書く、世間や有名人の「下衆(げす)」がどんなものなのか、すんごく楽しみなの。エンタメ性が抜群なんだもの。

まだ、ぜんぜん読んでないのだけど、奥づけには、「すごいぞ、センスプ」と・・・。もう完全な少し前のスキャンダル満載!

こんな一書で執筆の疲れを癒そう(笑)

そんじゃあ、また。

執筆雑記・2

第一稿が書き終わった。

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今日、午前中、商談を終えて、急いで帰り、最後のあとがきを書いて、第一稿が出来上がった。ちょっとだけホッとしている。構成のメモを書いておこう。

〇はじめに。

第一章(3節)

エッセイ-1

第二章(3節)

エッセイ-2

第三章(3節)

エッセイ-3

第四章(3節)

エッセイ-4

〇おわりに。

四章仕立ての12節からなるエッセイ&実用書。

と、こんな構成で約20000文字(原稿用紙50枚)の原稿にまとまった。

当初立てたプロットの通りに執筆が進んだことが本当に嬉しい。思いのほか、過去2年半に渡るライターの記事納品生活や4年と8か月になる規則正しいブログの更新が、私の執筆筋力をこれでもか!というほど鍛えてくれたんだな~っと、今になってあの猛烈な忙しさに大感謝だ。

私は意外なほど、ブログでは勤勉な執筆を続けてきた。書く曜日と更新の時間を決めてその通りにきっちり進めてこれた。他のことはさておき、このことだけは自慢できるかもしれない(笑)

さて、次は推敲の週末が始まる。一番楽しみにしていた部分。元の形を崩すほどゴリゴリに書き直すなんてことが発生するかもしれないし、まったく違う視点でのコンテンツが生まれちゃうかもしれない、何となくワクワクするね。

まあ、とりあえず、第一稿が上がったので、今夜は🍺にしよう。書き直しは想定内だし、これで文章のリズムがさらに良くなるはずだから、赤いっぱい入れてめっちゃ書き直すよ。

それじゃあ、また。

執筆雑記・1

執筆業もプチ起業か?

2020年 元旦 我が家の駐車場からの初日の出。

2020年も明けて早や9日。現代は「個の時代」を迎えている。アイデア次第で個人が新たなチャンスをつかむことが可能な時代なのだ。

今、専業に従ずるだけでなく、専業に寄りかからないで生きる意識を持つ、という力をつける意味でも小さくとも個人の事業を持つ意味合いや気概は大きいものだろう。

起業、兼業、副業どれでも目的は変わらず、「収入補填(ほてん)」「キャリアアップ」など人生100年時代での先取利した楽しさがある。私も、3年ぶりに書籍の執筆依頼を頂き、ダブルポケットになることとなった。

さっそく年明けには1月からの専業との兼ね合いを良く精査して、スケジューリングから始めた。一週間7日のうち3日を執筆日として新たに設け、今日はその第一日めで、朝から猛然と執筆。約5000文字の原稿が書きあがった。以前の書籍執筆経験が生きていて、プロットの立て方や書き進め方がどんどん、湧いてきてすごく楽しい。

ああ~良かった。こんなに楽しいなんて・・・。実は始めるまでちょっとだけ不安だったのよね。一冊書き上げることができるかって。私が書いているのは、エッセイを含む実用書なのだ。小説とかではないので納期も早めだ。今月半ばには大体書き上げて、あと半月でごりごりと推敲するのが本当に楽しみ。

こんなでプチ起業と言えるのかな?書籍の執筆を始めた経緯をクリエイターズ・ファイルにしてここに書き進めて行こうと思う。どうぞ、お付き合いくださいませ。

ハウスワイフ2.0

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ハウスワイフ2.0とは?
● 会社を選択的に離脱する。
● 企業社会で燃え尽きた母親世代を反面教師にする。
● 田舎暮らしを楽しみ、ジャムを作り、編み物をする。
● ストレスのある高報酬より、ホッとできるくらしをする。
● WEB、SNSを使いワークシェアを利用する。
● ブログで発信、起業もする。
● 家事を夫と分担し、余裕をもった子育てをする。

ハーバードやエールなど一流大学を出ていながら投資銀行、広告代理店、官庁などの職を捨て、
続々と主婦になるアメリカの若い世代。ファッションも古い時代に逆戻りが流行るなど、アメリカメディアで大論争を呼んだ話題の書。
「ハウスワイフ2.0」エミリー・マッチャ―著(文藝春秋版)

 「ハウスワイフ2.0」そもそもアメリカ全土で論争までになった原因は、より良い職場=高収入を得られる職業に就くためにハーバードなどを優秀な成績で卒業し、フェイスブック社やグーグル社、アマゾンなどの巨大企業に就職を果たしたものの、そのサイボーグ的な仕事人生から一挙転身!田舎暮らしを始めて、農業に従事したり、マンハッタンのマンションでオリジナルマフィンを焼き、慈善事業団体に寄付するなどの提供事業を立ち上げる若い女性の動向からだった。

 自分一人でできる小さな仕事をする事で、女性ならではの感性やインスタグラムなどへの投稿、自身の私設ブログの執筆などで自分の存在証明を図るといった流れが急速に全米各州で起ったためだった。企業に埋没して、自分の人生を真っ暗にしたくない!という新しい価値観の誕生だったそう。
ハイヒールを脱ぎ捨て、コンバースや長靴を履くといった具合。WEB上では、素敵なカントリーハウスで、パンやジャムを作り、編み物をし、野菜をオーガニックで作り、子育ても大自然の中で伸び伸び~みたいな記事で溢れたんだとか。

実に私設ブロガーの3人に2人の割合で高学歴大企業離脱者だった事が論争になり炎上したってわけ。先を争うようにキャリアストップ~婚活~結婚~出産~起業と目の回るような人生劇場だが、元々企業戦士だったんだもの、これくらい朝飯前!(笑)
ある意味、高学歴高収入を実現してきた独身女性たちへの幸せの警鐘になってしまった!といういわく付きの一書だった。わたしも2016/05/17日付けのブログでこの書籍を紹介しつつ、いよいよ個人の価値観重視の時代到来だなあ~と思っていたのだ。

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 わたしは結婚当初、できる限り仕事は辞めないで!!と、夫から言われていたのでずっと働くという価値観のままブレずに生きてきた。ただ、以前のような演奏家&音楽教師だけの道が続くと思っていたのだけれど、やっぱり人生はすごろくのように出た目で変わってしまう。大病をし、今まで通りの仕事に従事できなくなったけど、次のやりたい仕事がわたしを待っていたのだ。
 実際のところこの書籍と出会って丸5年、時代はIT化が進み、人手の必要な仕事はどんどん削減されて、今や日本でも職にあぶれ貧困という言葉が普通に論じられている危機的状況だ。
大企業神話が崩壊し、その中で自分の仕事がしっかりある、やりがいがある、きちんと対価に見合った収入がある・・・といった職種や職場に恵まれているほうが男女区別なく稀な時代になってしまっている。

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         ◎梅雨明け真近の旧日産工場跡地(武蔵村山市)で          夕暮れの雲海を撮る。

 今のわたしは、女性50代で会社員という言わば少数派なのだが、定年まではしっかりと働き定年後数年間は嘱託で自分のペースで働けるように健康とビジネス感覚のバランスを取りたいと願っている。まだあと10年は行く予定。
 しかし定年後の自分がイマイチ思い描けない事と出版不況の中、自分の身は自分で守るというコンセンサスの元、Wordpressの導入で現在、新規事業として独自のプラットフォームを構築中。末永い事業に成り得る仕組み作りに余念がない。

 また、このブログはわたしの自己表現の場で文章と写真の娯楽を楽しんでいるといった具合だ。
ブックレビューや書籍の執筆、ブログの作成も長い間仕事に従事してきた自分への最高の贈り物なのかもしれない。
週末に家事をまとめてやり、1週間分の買い出しをし、Wordpressの構築、さらにブログを書き、写真を撮り、要するに本業以外でも本当に充実したハウスワイフ2.0生活が叶えられている。
でもかなりの手抜きと、面倒を見なければいけない家族がいない、今だけのわたしの自由時間かもね。

 書籍が自分の夢や希望を叶えてくれるわけじゃないよ。自分の願う方向へ思考を傾け続けて、行きたい方へ勇気を持ってシフトチェンジする事で叶えられるもの。
今では老後の不安よりもこれから先へのワクワク感が強い。世間の潮流をまずは知ってから、それがネガティブな路線だったら、自分の両脇にどけて、今やりたい事を徹底してやる事が未来の自分を作るんだよね。

人生まだまだ。
これからだよ(笑)

「首のたるみが気になるの」

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今年の7月、地域の支所に新しく図書室ができた。先日やっと時間を取り出向いてみた。中央の図書館と何ら変わらないシステム。だけれど、所蔵図書はすごく少ない。一通り流して、おや?という興味を引く作品が見つかったので早速借りてみた。

それは、題名がキモ入りで「首のたるみが気になるの」真黄色い装丁とカワイイ自由の女神のイラスト、ノーラ・エフロン?知らないなあ・・・訳はあの、阿川佐和子女史。

これは何だか面白そう!とまったく中身も見ずに借りてきた。その内容は、ホワイトハウスの政治記者から、後には脚本家、映画監督と幅広い活躍を生涯続けた一人の女性の、隠しようのない「首のたるみやシワ」といった老化問題から住居、料理、脳内恋愛etc.。女性の本音をつぶやいた抱腹絶倒の一書だった。

 文中より・・・「老いることは素晴らしい」そんなことを平然と語る人たちが存在すること自体、私には信じられない。いったい何を考えているのだろう。この人たちに首はないのか?首が隠れる服を探すのに苦労したことはないわけ?と、日常の不満、願望、日常的妄想をつぶやいたのよ。それが全米で大ベストセラーとなったの。抱腹絶倒だけれど、最後はしんみりの極上話をぜひ!

◎目次を羅列する。

バッグは嫌いだ

私を通り過ぎた男とレシピたち

ネバーエンディングお手入れ

見えない、読めない、どこにもない

親業たるもの

さらば、愛しきアプソープ

私とJFK~今だから言えること

私とビル~なぜ愛してしまったのだろう

住んでいる

人生を3500語以内で述べよ

失われたシュトルーデルを求めて

ブック・アディクト

知ってりゃよかった

さよならを言う前に

 さて、訳を施した阿川佐和子女史について、少し触れてみよう。

集英社のD女史から、翻訳の話を頂いた時、「うわ、やりたい、やりたい!」とあれほど騒いだのに、送られてきた原書と資料を床に積み上げて延々として作業に入れないまま随分と月日が流れてしまった。

なぜできなかったのか?その理由は簡単で、目の前の必要、切迫事項例えば、対談の準備や小説の締め切りなどに追われて、ついこの翻訳がどんどん後回しにされたということ。佐和子氏もこの著者とは面識があり、いずれNYで対談もしてそれを巻末に入れよう!とか考えつつ、どんどん遅くなってしまい、ついには著者、ノーラ・エフロン女史が亡くなってしまう。

このことで仕事を後回しにしたつけは佐和子氏にとっての痛恨の大ミスとして心に深く残ったのだそう。仕事は早めにね!と。追悼の意義をこめて全身全霊で翻訳に取り組んだあげく、まるでノーラ・エフロンが憑依したような完璧な翻訳としてこの本が出来上がったということだ。

 阿川佐和子女史といえば、「聞く力」が空前の大ベストセラーとなったことは記憶に新しいかな。私は、エッセイストであり、小説家であり、タレントであるだけかと思っていたが、翻訳もできるとは、何と多彩なんだ~?!あの小さい身体にメガトン級の知力パワーが潜んでいるなんて凄すぎるよ。しかも60代で初婚!ワクワクのつまった私生活もさることながらこういった翻訳という世界にも色を添える佐和子氏なんだと再確認したのだ。

今回の紹介書籍

「首のたるみが気になるの」

ノーラ・エフロン 著

阿川佐和子・訳

株式会社 集英社

蜜蜂と遠雷を読んで、観て。

1

       ◎わたしの所有していたコンサートグランドP。
【映画・あらすじ】

 ピアノの天才たちが集う芳ヶ江国際ピアノコンクールの予選会に参加する若き4人のピアニストたち。何年かに一度、ごく稀に天才が引き寄せられて一同に会する機会があるのだと。実は、それは稀なことではなく、音楽の神と称する大人物が、独自の視点で見つけた天才に推薦状を着けてコンクールに送り込んでいる。謎の推薦状。この書面を生かすも殺すも審査員の手にかかっている。

 審査員の音楽性のみならず、深い物事に対する洞察力がものをいう。果たして推薦状をもって参加した少年は優勝できるのか?

ここで、4人の天才の紹介をする。

◎1人目・母の死をきっかけにピアノが弾けなくなったかつての天才少女・栄伝亜夜(えいでん あや)は、7年の時を経て再びコンクールへの出場を決意する。亜夜の繰り出す無数の音のダンシングはプロコフィエフ・コンチェルト第3番。圧巻の演奏を際立たせるドレスと漆黒の髪が魅力的だ。

◎2人目・音大出身だが現在は楽器店で働くコンクール年齢制限ギリギリの高島明石(たかしま あかし)は、家族の応援を背に年齢制限で今回、最後の挑戦に臨む。宮沢賢治「春と修羅」のカデンツァ(即興)では、妻と一人息子との暮らしを彷彿させる純朴な美しい演奏で聴衆を魅了した。

◎3人目・名門ジュリアード音楽院在籍中で完璧な演奏技術と感性を併せ持つマサル・C・レビ=アナトールは、優勝候補として注目されている。彼のプロコフィエフ・コンチェルト第2番は、指揮者はじめオーケストラ、聴衆まですべて引き込む圧巻の演奏。この演奏を聴いた亜夜は「世界に愛され、喜ばれる音」だと絶賛した。

◎4人目・パリで行われたオーディションに突如現れた謎の少年・風間塵(かざま じん〉は、先ごろ亡くなった世界最高峰のピアニストからの「推薦状」を持っており、そのすさまじい演奏で見る者すべてを圧倒していく。この天才はパリで遊牧民をする父親の友人(ホフマン先生・推薦状の主)から、木製の音のでないキーボードをもらい、ずっと音無しで弾き続けてきた大天才。 

 熱い戦いの中で互いに刺激しあい、それぞれ葛藤しながらも成長していく4人だったが……。 

直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の同名小説を、松岡茉優、松坂桃李、「レディ・プレイヤー1」の森崎ウィンら共演で実写映画化。

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【原作を読んで】
 文学は芸術と言えるのだろうか?これは非常に悩ましいところだ。美術や音楽との違いは歴然としている。文学はあくまでもその文章の持つ内容がロジック(論理的)に書かれているはずで、一方美術や音楽は右脳の持つ特徴を情感に訴える。
 しかし、今ではロジック(論理的)な手法をとる芸術もあるだろうし、情緒たっぷりの文学や音楽的要素を持った打情詩のようなもあり、それはひとくくりにすると、まさに文学なのだ。
 共通点はいずれも人間的であるということ。音楽を文章で描写するとどうなるのだろう?それが、この本だ。文字という媒体を使いながら、いつのまにか聴覚による読書になってしまう不思議。
 原曲を知らない場合は、You Tubeで曲を流しながら読むのが一時流行ったっけな。クラシックを敬遠してきた人は、今からでも遅くないから、どうぞ、圧倒的な音の洪水(シャワー)を浴びにきて!(笑)

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 私的エッセイ「ピアノとわたし」
 ピアノに出会ったのは4歳の時。わたしが幼稚園に入る前に母親が運転免許を取ることになり、わたしと2歳の弟を自動車学校の保育所に預けた。その保育所に鎮座していたピアノ。
 わたしは毎日、素敵な音の出るその箱に魅了され続けた。ずっと母親の教習中、鍵盤を叩き続けていたのだそうだ。そして、我が家にピアノが来たのが7歳の時。自分のピアノを持った喜びで、何にも怖いものが無くなった。誰も遊ぶ人がいない時でも、ピアノがあるから大丈夫。いくらでも好き放題に弾けるんだもん。そうやってずっとレッスンを続け、音大受験し、音大でさらに厳しい訓練を続けて、「ああ~こうやってコンサートピアニストになるのかな?」とか漠然と思っていた。
 その後、紆余曲折があり、わたしは中堅演奏家として舞台に立つ事もあれば、本業は子どもから大人までを広く指導するピアノ講師となっていた。コンサートプロでなくても充分に素晴らしい音楽を職業にできた喜びでいっぱいだった。しかし、40代半ばの大病でわたしの演奏家生活も幕を閉じたのだった。
 演奏できなくなった「自分」が可愛そうだとか、苦しいとか、ほぼそういった「負」の感情は湧かず、生きられる喜びのほうが大きく勝っていたことに、限りなく救われたのだった。今回、この作品を2回読んでから、映画を観た。読めば、読むほど、文章化された音のシャワーが降り注いだのには驚きだった。早く、映像で4人の天才の演奏が聴きたくて仕方がなかった。
 「弾く」ことを捨てて得たものは最高の「聴く」ことだった。これだけでたぶん一生涯、生きていける。精神的に奥深い満足の得られた喜びは計り知れない。
 この作品には3本のある作品のオマージュ(尊敬の念)が使われているのを発見した。どこのレビューにも書かれてはいないのでここに記しておこう。

「いつもポケットにショパン」くらもちふさこ・著「ピアノの森」一色まこと・著「春と修羅」宮沢賢治・著
 なるほど~、こうやって小説のストーリー建てにオマージュを使うと、映画にするにも映像が浮かびやすい。なんだか発見して得しちゃったなあ(笑)
 これほどまでにピアノを愛していたことを再考できた幸せな読書と映画鑑賞。やっぱり秋は芸術&読書よ。

「自分で始めた女たち」

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6月末の話、新しい副業を始めると宣言したばかりのわたしだった。元々持っていた個人事務所という器を使って、今からの長い人生を、自分でできる執筆の分野で収益を上げてゆくビジネスモデルの再構築を始め。もう、信じられないくらい、頭の中はフル回転しているのだけれど、随分鈍っていることも確かだ。昨日からこの2日間、ずっと自分のライタースキルの見直しと新たな執筆構成を立てるプロットの構築をしていた。まず、ブロガーとして弾の仕込みに余念がない状態。弾は数十本の記事。今の予定では25本で1本3000文字程度を6月中に書き上げるのが課題だった。個人事務所のスタイリングなどは、弾が出来上がったらでいいかな。まずは書いて!書いて!と鼻息も荒い(笑)

 さて、今回のブックレビューだが、5月30日に刊行されたばかりの「自分で始めた女たち」グレース・ポニー著(海と月社)は、偶然書店営業の時に見つけて、即ゲットした本。現在、各業界の第一線で活躍する様々な女性たちのインタビュー集となっている。料理研究家、映画監督、脚本家、デザイナー、作家、ミュージシャン、イラストレーター、ブロガー、モデル、家具職人、スタイリスト、コメディアン、俳優、ジャーナリストなど多岐に渡る。114人の女性たちのやりたい事や好きな事を仕事にして、夢を追いかけ、叶えた先にある美しい世界を写真とインタビュー記事で表現している。
インタビューの一覧をここに転記しよう。

・子どものころの夢は?

・駆け出しのころ役立ったアドバイスは?

・あなたにとっての成功は?

・自分ビジネスを始めて得た最大の教訓は?

・キャリアや仕事のために払った犠牲は?

・自分の性格でいちばん自慢できるところは?

・自信をなくしたり逆境に陥ったときの立ち直り法は?

・あなたのモットーは?

・今の仕事を知ったのはいつ?なぜ惹かれたの?

・ビジネスを始める前に考えておくべきことトップ3は?

・夜眠れなくなるような不安や悩みはある?

・失敗から学んで成功につながったことはある?

・ビジネスのアイデアや自分がやりたいことに気づいたのは、いつ、どこで?

・憧れの、あるいは尊敬する女性は誰?

 こうした質問に対し、114人もの女性たちが答えてくれるのだ。今、やりたい事が見つからない、やりたいことへの一歩踏み出せずにいるなど、女性ならではの心中に一本の軸を見つける事ができるかもしれない希望と期待の一冊なのだ。

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「始める」という大きな一歩を踏み出した女性たちの言葉には、成功への多様な価値観がある。きっと言葉に出来ぬほどの苦労もあったのだろうけど、皆、人としてのしなやかさがある。読んで元気が出る本とはこういう本を指すのだろう。

これから、ワクワクややりたいことをビジネスにしたい!という人には、ぜひ一度手に取ってみて!

 きっと、見違えるような気分になるはずだから。

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